現役高校生と考える“犬と共に生きる”とは?
映画『犬に名前をつける日』の劇場公開に先がけて、都立園芸高校の動物科の生徒たちに向けた上映会が開催されました。犬と人間がより豊かに暮らしていくためのトークセッションと、ドックトレーナーによる実演が行われたこのイベント。その様子と、山田監督のインタビューに分けてお伝えします。
今回、都立園芸高校で上映された映画『犬に名前をつける日』は、監督の山田あかねさん自らが、動物愛護センターから犬や猫を救い出している人々や、東日本大震災で置き去りにされた動物を保護する人々の活動を4年間にわたり取材し、そのドキュメンタリー映像をベースに、取材する側=久野かなみを主人公にしたドラマを加えた新しいタイプのドキュメンタリードラマ。犬と猫の命の現場でゆれる取材者の気持ちをリアルに描いた作品です。
映画の上映が終わり、山田あゆみあかね監督(右)と、ドックトレーナーの藤井聡先生(左)が壇上にあがりました。一緒にいるのはこの映画にも出演している、山田監督の愛犬ハルちゃん。千葉の愛護センターにいたところを引き取りました。
生徒たちから映画について、「殺処分される犬がいることは知っていたけど、家が犬を飼える環境じゃないので、自分には何もできないと決めつけていた。でもこの映画のボランティアさんの活動を観て、私も何かやりたくなりました」。「観ていてつらい場面もあったが、これから自分にできることは何なんだろうと考えながら生活していきたい」と感想が述べられました。それについて、お散歩ボランティアなどがあるので、犬を飼えない環境であってもやれることはある、と山田監督がアドバイス。
2013年度 環境省動物愛護管理室の調査によると、日本では1年間に12万8241頭(1日に350頭)もの野良犬や野良猫、飼い主から引き取った(=捨てられた)犬猫が行政で殺処分されています。2012年に動物愛護法が改正され「犬猫の殺処分がなくなることを目指して、引き取った犬猫の飼い主への斡旋などに努める」ことになりましたが、以前として新たな飼い主への譲渡は引き取り数の18.7%にすぎず、72.7%が殺処分となっているのです。
2013年度 環境省動物愛護管理室の調査によると、日本では1年間に12万8241頭(1日に350頭)もの野良犬や野良猫、飼い主から引き取った(=捨てられた)犬猫が行政で殺処分されています。2012年に動物愛護法が改正され「犬猫の殺処分がなくなることを目指して、引き取った犬猫の飼い主への斡旋などに努める」ことになりましたが、以前として新たな飼い主への譲渡は引き取り数の18.7%にすぎず、72.7%が殺処分となっているのです。
ドイツやオランダなど殺処分が存在しない国もある中、日本ではまだ保護犬への認知が低いという現状もあります。以前の山田監督自身も、保護犬は人に懐かないのではないかといった疑問があったそうです。
「取材中、愛護センターでいろいろな犬に会っていくうちに、人に懐くかどうかは飼い方次第なんだと気づきました。人間がきちんと接すれば、犬は心を開いてくれるので、子犬からじゃなくても懐くし、飼うことはできます。ハルもこの通り私に寄り添うし、お芝居なんてしたこともないのにこの映画で演技まで成し遂げたんです」と自身の体験談と共に話されました。
ドックトレーナーの藤井先生は、犬が保健所へ持ち込まれる要因のひとつとして、正しいしつけがされなかったことが原因になっていると説明。「飼い主が犬の本能を理解せず、管理ができなかったが為に手におえなくなり、保健所へ持ち込まれてしまう犬がいる。犬が悪いのではない、そういう犬にしたのは飼い主なんです」と。
「取材中、愛護センターでいろいろな犬に会っていくうちに、人に懐くかどうかは飼い方次第なんだと気づきました。人間がきちんと接すれば、犬は心を開いてくれるので、子犬からじゃなくても懐くし、飼うことはできます。ハルもこの通り私に寄り添うし、お芝居なんてしたこともないのにこの映画で演技まで成し遂げたんです」と自身の体験談と共に話されました。
ドックトレーナーの藤井先生は、犬が保健所へ持ち込まれる要因のひとつとして、正しいしつけがされなかったことが原因になっていると説明。「飼い主が犬の本能を理解せず、管理ができなかったが為に手におえなくなり、保健所へ持ち込まれてしまう犬がいる。犬が悪いのではない、そういう犬にしたのは飼い主なんです」と。
続いて屋外での“正しいしつけ”の実演講習では、映画にも登場する「ちばわん※」で実際にボランティアとして活動している方々と、実際に「ちばわん」から里親として犬を譲りうけた方が、もと保護犬の愛犬たちと、里親募集中の1匹を連れて参加しました。犬たちが実演のパートナーを務めます。(※千葉県に拠点をもち、犬や猫を保護し里親探しをしているボランティア団体)
始めに藤井先生が正しい犬との歩き方をレクチャー。横に並んで歩き、リードが少し緩んだ状態が正しいポジションです。必ず飼い主が主導者となって歩きます。
始めに藤井先生が正しい犬との歩き方をレクチャー。横に並んで歩き、リードが少し緩んだ状態が正しいポジションです。必ず飼い主が主導者となって歩きます。
山田監督がハルちゃんと、続いて生徒たちも実際に歩いてみます。校内で飼われているトイプードルのチャチャちゃん(右下)も参加しました。
こちらはマズルコントロールの実演。家庭犬は人に対して従属的な方が好ましく、それは犬の背面に周りこんでみることでわかるそうです。犬が素直に静止していられれば、それだけ従属的な証拠。
興奮したり怯えている犬を落ち着かせるためのレクチャーもありました。
生徒たちが動物好きということもあり、犬たちとの実演では終始楽しそうな様子でした。イベントの最後に「将来は犬のトリミングと保護活動の両方ができる場所で働きたい」と話してくれた生徒がいました。今回のイベントで、未来の社会をつくる彼女たちが、犬を始め、動物との共生について考えるきっかけになったのではないでしょうか。
山田監督のインタビューへつづく。
山田監督のインタビューへつづく。
INFORMATION
『犬に名前をつける日』2015年10月31日(土)からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・脚本・プロデューサー:山田あかね
主題歌:ウルフルズ「泣けてくる」
音楽:つじあやの
出演:小林聡美、渋谷昶子、ちばわん、犬猫みなしご救援隊、上川隆也
配給:スールキートス公式サイト:http://www.inu-namae.com/
(c)スモールホープベイプロダクション小林聡美さんほか登壇予定の初日舞台挨拶も決定!
http://inu-namae.tumblr.com/post/130803955327/
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